自然の風や、水が流れているところには、精神的なリラックス効果がある…という事が言われていますが、これは確かに、人間の本能として、そのように感じるところがありますよね。
ただ、昔フルコミッションの営業成績に対してかなり厳しい仕事をしていた時には、こういった環境で、精神的なリラックスをしようと思って、ちょっと料金の高いリゾート地に行ったり等もした事がありましたが、結局のところ、自分の精神の状態がパンパンになってしまっていると、こういったところでもなかなかリラックスできないものです。
これは、人それぞれの性格によるのかもしれませんが、私のような、能力はないにしても、基本的に根は真面目なA型のタイプだと、何か将来について不安があるときには、楽しいイベントに参加したり、リラックスできるような環境に行ったとしても、結局のところは仕事の事を考えたりしてしまって、精神的に安らぎを得られません。
私の場合は、そこまで責任感のあるタイプではないので、メンタルヘルスを壊すというところまでには行きませんでしたけど、エリート街道を突き進んでいて、毎日自分にプレッシャーをとことんまでかけている人だと、こういった事の繰り返しから、精神を壊すこともあるのではないかと思いますね。
実際自分自身、仕事というものに対して、すごく追い込まれた時期があり、それを経験してからは、仕事というよりも、人生というものをトータルで考えるようになり、今のような考え方に至りました。
何かのマンガの中に書いてあった言葉のような気がしますが、
人間は健康であれば、春は春の自然がある事を楽しむ、夏は夏の暑さを楽しむ、秋は秋の景色を楽しむ、冬は冬の寒さや景色を楽しむことができる。
それができないなら、人間らしい生活ができていないのかもしれない。
私が毎日成果ばかりを追いかけて営業の仕事をしていた時の心理というのは、まさにこんな感じだったかと思います。
お金だけは少しあるので、たまの休みに、お金をかけた贅沢をしてみようか!という気持ちになり、ちょっと高いお店を予約して食事をしたりするのですけども、結局のところこういった行為からも、精神的な安らぎを得る事はできません。
私自身、自分の人生で経験してみて思ったのが、本当にエリートという人間の責任感というのは、すごいものなのだろうと思います。
私のような、適当な人生を歩んできた人間には、仕事が人生の1番手というレベルで、ずっと突っ走ることは、絶対に出来ないと感じました。
そうやって、お給料は良くないけれども、自分の地元で、毎日心安らかにゆったりと生活をして行ける状態で、今はすごく楽しいと感じています。
こんな気持ちになってからは、春に何気ない花が咲いているのを見たり、夏に、蝉がジージー鳴いているのを聞くだけで、何だかちょっと幸せな気持ちになるようになりました。
でもこれも、一時はまさに心を無くすような忙しい環境で生活していた経験があるからこそ、到達できた心理なのかもしれません。
そういう意味では、給料の安い仕事に転職するときには、自分の人生が後ろ向きに進んだような気持ちになった事もありましたけど、今では心の底から、今の自分の環境が良い!と思えるようになりました。